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元教師が伝える「教師を目指すべきではない」たった一つの理由【MCNK】

 元教師だからこそ言える「教師は目指すべきではない」と。
これから教師を目指す方、目指そうとしている方には非常に心苦しいのですが、これがぼくの教職経験から導き出した答えです。最初に言っておきたいのですが、ぼくは教師という仕事に対して、嫌悪感を持っているわけではありません。従事していた当時は誇りをもって仕事をしていましたし、やりがいもありました。今でも素晴らしい職業だと自信をもって言えます。しかし、今から教師を目指す人に「教師を目指した方がいいよ!」「教師はとてもやりがいがあるよ!」とは言えないのが現実です。ではではなぜ、「教師は目指すべきではない」のか。これから教師を目指そうと考えている方にむけて、その理由を伝えます。

この記事を読む価値

・なぜ教師を目指すべきではないのかがわかります。

・教師を目指している方、目指そうか悩んでいる方に参考になります。

・どう言う人なら目指してよいのかがわかります。

この記事の信頼性

・筆者自信が7年間公立小学校の教員として働いたのち退職した。

・現在、IT系の企業に転職している。

・学校の世界からはなれてみて教員を目指さない方がいい理由がわかった。

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なぜ教師を目指すべきではないのか。実体験からわかりやすく伝えます。

【教師を目指すべきではない】たった一つの理由

教師を目指すべきではない理由

「良い教師」になるためにプライベートを捨てなければならないから

 シンプルにこれにつきます。良い先生になるためには、人生の全てをかける必要があります。これは大袈裟な例え話ではなく実際にそうなのです。そんなバカなと思われるかもしれません。また、子どものためなのだからそんなの当たり前じゃないか!と思った方がいるかもしれません。まず、大前提として現在教職員をされているほとんどの方は「子どものために」という思いで毎日必死に仕事をがんばっておられます。ですが、残念なことにずっとその情熱を持ち続けられるわけではないのです。しかも、一度でもその情熱の火が消えた先生はまずまちがいなく「良い先生」にはなれません。もちろん例外もありますが、あなたがこれまで出会ってきた「良い先生」は、少なからず自分の人生の時間、その全てを教師という職業にささげてきた人物である可能性が高いのです。

ポイント

・良い教師になるにはプライベートを捨てなければならない。

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良い教師になるためには・・一体どういうことなのでしょうか。

【教師を目指すべきではない】「良い教師」ってなに?

 先生を目指す人は、みんな理想の教師像というものがあると思います。「こんな先生になりたい!」そんな強い思いを持って教師を志している方が大半のはずです。いろんな形はありますが、自分の持っている理想の教師像が「良い教師」なのです。一概にコレがいい!というわけではなく、人それぞれ各々の形があるのです。「子ども一人一人にきちんと向き合える先生」「子どもたちから好かれる先生」「保護者に信頼される先生」「周りの先生からも頼りにされる先生」「あの先生に担任をしてもらってよかったと思われる先生」など、みんな理想の姿を思い描いているのです。そしてその「良い教師」を目指すためにするべきことがたくさんあるのです。

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良い教師になるためには、どんなことをする必要があるのでしょうか。

【教師を目指すべきではない】良い教師になるために、やるべき5つのこと

授業準備

 小学校教員だと必然的に複数の教科を持つことになります。毎日5〜6時間の授業を構成を考え、それにともなう準備をしなければなりません。この授業準備や授業が教師の仕事の本分です。一体のこの授業準備のどこが大変なのでしょう。一般企業に置き換えるなら、毎日1時間×6のプレゼン資料を準備し、プレゼンを行うと言えばわかりやすいでしょうか。これはかなり重労働です。
 また近年の日本では、発達障害や家庭の事情を抱えた子どもが増え、教員には児童・生徒1人1人のニーズに合ったきめ細やかな指導が求められています。1クラス当たりの、児童の数が多ければ多いほど教師の負担はさらに増していくのです。教師の本分は授業です。授業がきちんとできなければ良い教師になることはできません。そのためには事前準備からしっかり時間を確保し、授業作りを考えなければなりません。

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授業準備だけに時間をかけられるというのは、ある意味幸せなのです。

校務分掌

 校務分掌と呼ばれる学校の運営にかかわる業務であり、これも非常に大きな負担となります。実際にぼくの例をあげてみましょう。ぼくは、体育主任という学校の体育関係全般の仕事を請け負っていました。運動会の準備、体力テストの準備、マラソン大会、体育の実技講習、水泳記録会、陸上記録会の実施、体育員会の運営、体育用品消耗品のチェックなど仕事を上げ出したらきりがありません。しかし、良い先生になりたければここも手を抜くことができません。授業運営にも関わりますし、学校運営に関わる仕事ですので手を抜いていると周りの先生の信頼を得ることもできません。

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いろんな仕事を分担して学校を運営しているのです。

部活指導

 中学校や高校は、部活動がある学校がほとんどで、基本的に部活は、日々の授業が終わった後に行われます。部活をしている場合、他の業務があったとしても、顧問部活動に参加しなければなりません。その結果、授業の準備や提出物の添削など勤務時間外に行わなければならないのです。また、朝練や土日など学校が休みの日も部活があるので、必然的に休みは減っていきます。でも、あなたの学生時代に色濃く記憶に残っている先生は、熱心に指導をしてくれた部活指導の先生だという人は多いのではないでしょうか。子どもから信頼を得るためには、休日など休んではいられないのです。

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手当だって雀の涙ほどのものです。

保護者対応

 ぼくは好きな言葉じゃないのですが、世間一般で言うモンスターペアレンツと呼ばれている保護者対応だけでなく、普段から保護者との連携を密にしておくことも求められます。中には理不尽なことを言われたり、自己中心的な考えで一方的に押し付けられ対応に困ることがあります。間違った対応をしてしまうと、余計にクレームが激しくなり、それで精神的にまいってしまう方もおられます。相手の気分を損ねないように、慎重に対応しなければならず、かなり疲弊してしまいます。それでも、保護者と連携を密にし、「あの先生はいい先生だ」と感じてもらえるようにするには、手を抜かずに誠心誠意対応するしかないのです。

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真夜中に家庭訪問をすることもありました。

その他の雑務

 教師本来の仕事は子どもに授業をする、そのための教材研究や準備であるはずです。ですが、それとは関係のない雑務を教員は多く抱えています。例を挙げると、ゲームセンターやコンビニなど児童が徘徊しそうな場所の夜間パトロール、登校時の登校指導、運動会など行事の準備、テストの作成等言い出したらきりがありません。子どもが学校外で問題を起こせば、当然のように現場へ行き対応を行わなければなりません。ドラマや漫画などでは、こういったことがメインに描かれていることもよくあり、先生のそういった姿にあこがれて教師を目指す人も多いと思います。何を隠そう、ぼくの場合、GTOの鬼塚先生に憧れて教師を目指しました。しかし本来、学区外のことは、学校が関知することではありませんがそんなことはおかまいなしです。時計の針がどこをさそうが教師は対応を迫られるのです。良い先生になりたいのであればこういったことにも労を惜しんでられません。

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学校の外のことは関係ない、そんなことは言っていられないのです。

 これらすべての業務を一生懸命こなしてはじめて「良い教師」となれるのです。そしてそのために与えられる時間は勤務時間中の約1時間。これは子どもが下校し、教師の退勤時間までを逆算したおおまかな数字です。これらすべてを業務をそんな短時間で終わらすことは不可能なのです。結果、残業や休日出勤をしないと回らない仕事になっているという現実があるのです。ぼくの場合は、毎朝6時半に学校に行っていました。夜8時〜9時に帰宅という生活を7年間続けていました。土日のどちらかは出勤して1週間のあらかたの準備をしていました。勤務時間外労働の時間は月平均100時間ほどでした。月100時間です。今ではとても考えられません。なぜ、このような生活を続けられたのか。答えは簡単です。僕も「良い教師」になりたかったのです。

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「良い教師」になるために毎日必死でした。

【教師を目指すべきではない】だれもが「良い教師」になりたい、だけどなれない

 あなたの学生時代を思い返してみてください。「好きな先生」ってきっといたと思います。それと同時に「嫌いな先生」もいたのではないでしょうか。そして、残酷なことに子どもにも保護者にも、はたまた同僚にも嫌われる「ダメな先生」ってい今現在もかなりの数が存在しているのです。そうなっている先生の所作や行為に少なからず問題はあるのだと思います。でも、少し考えてみてください。そういった先生もだれもが最初は「良い教師」を目指していたのです。でも、なりたくてもなれない。これが現実なのです。理想の教師像を胸に秘め、やっとなれた教師という仕事でも、上で書いた圧倒的な業務量に心が折れてしまう人が多々存在するのです。いつしか、自分がもっとも嫌っていた「ダメな先生」にならざるをえないことがあるのです。そういった人は、再びモチベーションを高めることが非常に困難です。そりゃそうですよね。どんなに一生懸命がんばっても、膨大な業務量をこなすことができず、子どもからも保護者からも同僚からも「ダメな先生」と言われるのです。そういった人はますます無気力になり負のスパイラルにおちいります。年齢を重ね、仕事も簡単に辞めることもできません。後ろ指をさされながらも、みじめな気持ちになりながらも続けるしか選択肢がない人もいるのです。こういった人を責めることはできるでしょうか。実際に僕の職場でもそういった先生を多く見てきました。「良い教師」になるには全てを犠牲にする覚悟が必要なのです。

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心が折れてしまう人も多々いるのです。
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 これが結論です。この覚悟がないまま教師になってしまうと後悔をする可能性が少なからずあります。中には、なんとなくの思いで教師になり、それが自分にピッタリの職業だったという人もおられるかもしれません。ですがそんな人は稀です。自分の人生をすべてかける覚悟で教師を目指してください。

 ・プライベートをたいせつにしたい。
 ・公務員で安定している、給与が良い。
 ・なんとなくなってみる。

こういった人は絶対に目指してはいけません。ほぼ間違いなく後悔します。教師の仕事は教師でしか、活かせないことが多いです。ずるずると年数が経てば、転職することも難しくなるかもしれません。

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まとめ

ポイント

・良い教師になりたければ自分の人生のすべてをかける覚悟を持って目指すべき。

・プライベートを大切にしたい、公務員で安定しているという理由で目指すのはオススメしません。

 初めにも言いましたが、私は教師という仕事に誇りをもっていましたし、やりがいもありました。今でも素晴らしい職業だと自信をもって言えます。でも、そんな理想だけではたちいかない現実があることも事実です。これから教師を目指す方に少しでも参考になれば幸いです。

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みちのく

MCNKと書いて(みちのく)と読んでください! 地元の公立小学校で教員を7年間していました。 現在はエンジニア兼webディレクターとして e-Learningコンテンツの制作に関わっています。 プロレス・サッカー・野球をこよなく愛してます。

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